中学生の定期テスト国語対策 漢文の勉強法をわかりやすく解説!
2023/10/29
今回は前回の古文に続いて漢文の勉強法や読解のコツを解説します。漢文の書き下し文の読み方や返り点などのルールが難しいと感じている中学生も少なくないと思います。でも安心してください。漢文のポイントや読み方のコツを知れば、苦手意識も徐々に薄れてくると思います。定期テストや高校受験の勉強にも役立つと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
まずは本文を音読しよう!
漢文が苦手な人はまずは、書き下し文を確実に読めるようにしましょう。
書き下し文とは日本語文法の語順に並べ替えた漢文のことで、日本語の文法の並び方に合わせて「書き下す」から書き下し文といいます。
一つの漢文を何度も繰り返し読めば、つまらずにすらすと読めるようになると思います。
また、漢文には「置き字」といって而・於・于・乎・矣・焉・兮などの読まない漢字があるので、気をつけましょう。
漢文の読み方のルールを覚えよう!
次ぎに漢文の読み方(返り点)のルールを覚えましょう。
「レ点」・・・とは、カタカナの「レ」のような形をした返り点のことです。「レ点」がつくと、「レ点」に接している2つの漢字は、下から上に読むという決まりがあります。下の文は「上善は水のごとし」と読みます。
上
善
ハ
若
レ シ
水
ノ
「一、二点」・・・とは「いちにてん」と読み、漢数字に沿って順番に読むという決まりがあります。
下の文は「我美しき鳥を見る」と読みます。
我
見
ル
ニ
美
シ
キ
鳥ヲ
一
現代語訳を覚えよう!
漢文の現代語訳を覚える際には以下の点に注意しましょう。
1. 登場人物や話の流れを把握する
登場人物は注釈に書いてあることが多いので、参考にしましょう。
文を読みながら、今は「だれが話しているのか?」「だれが動作しているのか?」に注意しましょう。
文中のセリフについて、人ごとにマーカーなどで印をつけて区別するとわかりやすくなります。
2. 物語の背景を把握する
物語の背景を把握するためには、リード文や注釈を必ずチェックしましょう!
リード文や注釈には読解のヒントとなる物語のあらすじや背景が含まれていることが多いです。それらを読んで把握した上で、現代語訳を覚えることが望ましいです。
代表的な故事成語を知ろう!
漢文では故事成語(こじせいご)が扱われるケースが非常に多いです。故事成語とは中国で起こった昔の出来事 (中国の古典)から生まれた言葉のことを言います。実際にテストなどでよく出てくる故事成語を紹介しておきますので、言葉の意味を覚えておくとよいでしょう。
《代表的な故事成語》
◇温故知新(おんこちしん)
前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。古いものをたずね求めて新しい事柄を知る意から。
◆杞憂(きゆう)
心配しなくてもよいことを、むやみに心配すること。取り越し苦労。
◇呉越同舟(ごえつどうしゅう)
仲の悪い者同士や敵味方が、同じ場所や境遇にいること。本来は、仲の悪い者同士でも同じ災難や利害が一致すれば、協力したり助け合ったりするたとえ。
◆虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにはいらずんばこじをえず)
虎の子を捕らえるには虎のいる洞穴に入らなければならないように、危険を冒さなければ大きな利益や成功は得られないということ。
◇四面楚歌(しめんそか)
周囲がすべて敵や反対者で、まったく孤立して、助けや味方がいないこと。また、そのさま。孤立無援。
◆杜撰(ずさん)
①著作で、誤りが多く、いい加減なこと。
②いい加減なやり方で、手落ちの多いこと。ぞんざい。
◇大器晩成(たいきばんせい)
大きな器は完成するまでに時間がかかることから、真に偉大な人物も大成するのが遅いということ。大人物は遅れて頭角を現すということ。才能がありながら不遇である人に対する慰めの言葉としても用いる。
◆蛇足(だそく)
付け加える必要のないもの。無用の長物。
◇背水の陣(はいすいのじん)
背後に川などがあると後退できないので、軍勢は必死に戦う。同じように一歩も退けない覚悟で全力を尽くして事に当たること。
◆覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)
一度離縁してしまった夫婦の仲は元に戻らない事。また、一度してしまった失敗は取り返しがつかないという事。
◇矛盾(むじゅん)
①ほことたて。
②二つの物事がくいちがっていて、つじつまが合わないこと。自家撞着 (じかどうちゃく) 。
◆災いを転じて福となす(わざわいをてんじてふくとなす)
身にふりかかる災難(さいなん)を活用(かつよう)して、自分に役立(やくだ)つものとして利用するさま。不幸なことが一転して幸福に転じるさま。
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