定期テストや高校入試にも役立つ中学歴史のまとめ『宗教改革と大航海時代』
2025/02/23
中学生にとって、社会の歴史は重要教科の一つです。歴史は覚えることも多いので、各時代別に時代の流れや特徴を押さえることが必要です。この記事では数回にわたって、各時代別の概要やキーワード・キーパーソンなどを紹介し、それぞれの時代がどんな特徴を持つのかを把握してもらいたいと思います。第10回目は『宗教改革と大航海時代』の内容となります。どうぞご覧ください !
目次
アメリカ大陸発見と植民地化
15世紀の中頃、ヨーロッパで「大航海時代」(だいこうかいじだい)が始まりました。ポルトガルやスペインが中心となり、アフリカ、アジア、アメリカ大陸への大規模な航海がたびたび行われるようになり、遠く離れた国と国の文化交流が急速に活発化したのです。
また、15世紀末にはキリスト教の布教や資源・物産の入手のため、大西洋やインド洋を航海するヨーロッパの商人や冒険家が多くいました。
バスコ・ダ・ガマは、アフリカ大陸の西側に沿って喜望峰(きぼうほう)を経由してインドをめざしました。コロンブスは大西洋を渡って西回りでインドをめざし、1492年に、まだヨーロッパ人が知らない新大陸を見つけました。これがアメリカ大陸で、16世紀前半にはスペイン人がアメリカ大陸に侵攻し、ヨーロッパの植民地となりました。新大陸の開拓を進めるヨーロッパ人は、原住民だけでは労働力が不足しているため、アフリカから奴隷(どれい)を連れてきました。
さらに、マゼランがスペインの援助を受けて世界一周を成し遂げ、スペインは世界に領土を広げていきました。16世紀末にはスペインからオランダが独立し、ヨーロッパの貿易や金融の中心地となる一方で、東インド会社を設立し、アジアにも進出しました。
そして文化交流だけではなく、ヨーロッパ人によるアメリカやインドの植民地化も進みます。そんな大航海時代が始まって40年以上が経過した1543年(天文12年)、九州の種子島(たねがしま)にポルトガル人を乗せた中国船が到着しました。
これがヨーロッパ人と日本人が初めて出会った瞬間とされています。この頃の日本は、国内で大名が戦をくり返す戦国時代の真っ最中でした。ポルトガル人は、銀などが豊富に採取できる日本との貿易が大きな利益になると考え、以降インド・中国・日本の中継貿易(なかつぎぼうえき)を独占的に取り仕切ることになります。
インドは銀や油を中国に、中国は生糸や金をインドに。そして中国は生糸や絹を日本に、日本は銀や銅を中国にもたらしました。なお、ポルトガル人が初めてやってきた約50年後、スペイン人が長崎の平戸(ひらど)に到着し、以降はスペイン人による中南米・フィリピン・日本の中継貿易も始まっています。
当時の日本人はポルトガル人やスペイン人を南蛮人(なんばんじん)と呼んだため、彼らとの貿易は「南蛮貿易」と言われるようになりました。
ルネサンスと宗教改革
広大な領土を誇った古代ローマ帝国がほろびると、神聖ローマ帝国やビザンツ帝国(東ローマ帝国)などに分割され、ヨーロッパ全体をまとめる国がなくなりました。人々は精神的な支えをキリスト教に求め、西ヨーロッパではキリスト教の力がより強大となりました。また、アラビア半島や西アジアではイスラム教が広まりました。イスラム教の勢力によって聖地エルサレムがうばわれたことで、キリスト教は大きな危機感を持ちました。そこで、ローマ教皇がヨーロッパの王や貴族に呼びかけて十字軍を結成し、エルサレムをめざしました。
十字軍は信仰心だけの集団ではなく、領土や貿易を求める人も軍に属していました。そのため、十字軍によりイスラム文化がヨーロッパに紹介され、古代の文明が再びヨーロッパに伝えられました。これをルネサンス(文芸復興)と呼びます。
ルネサンスの時代は美術や化学が発達しました。ルネサンスの絵画は、リアリズムと精密な描写で特筆されました。 芸術家は人間の形や動き、光と影を鮮やかに表現し、キリスト教の聖書物語や神話、肖像画などを題材に描きました。 中でもレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」は、微細な筆致で描かれた微笑みが謎めいており、絶え間ない興味を呼び起こします。
ルネサンス期における火薬・羅針盤・活版印刷術が発明され、15、16世紀以降のヨーロッパの社会生活に大きい影響を及ぼしました。これらは人々が世界へ出るきっかけをつくり、後の大航海時代に結びついてきます。
16世紀初頭、ローマ教皇が大聖堂を改築するために免罪符を発行すると、人々から批判の声がおき、宗教家のルターやカルバンが宗教改革を始めました。ローマ教皇がカトリック教会だったことからプロテスタントと呼ばれ、カトリック教会内部もイエズス会によって立て直しが行なわれました。
16世紀、キリスト教最大の教派であるローマ・カトリック教会は、スペイン・ポルトガル両国に海外への布教活動を許可します。
当時のヨーロッパ人から見れば、キリスト教を信奉していない地域は野蛮人の国と見なし、布教だけでなく貿易、さらには征服して植民地経営を行うことまで許可されていました。
そしてスペイン船は大西洋を渡ってアメリカ大陸へ、ポルトガル船はアフリカ大陸を回って南からアジアへと進出。
このポルトガル船が1543年(天文12年)に「種子島」(たねがしま:鹿児島県西之表市)に到着したことで、日本とポルトガルとの間で「南蛮貿易」(なんばんぼうえき)が始まります。これによってイエズス会へ日本の情報がもたらされ、1549年(天文18年)にイエズス会創立者のひとりで、有名なフランシスコ・ザビエルが日本を訪れました。
宗教改革と大航海時代のキーワード
【キーワード】
新大陸
アメリカ大陸やオーストラリア大陸など、航海に出て発見された新しい大陸。
東インド会社
香辛料や絹織物などアジアとの貿易を活性化させるために、オランダが設立した貿易会社。
十字軍
イスラム教から聖地エルサレムをうばい返そうと、キリスト教信者で編成された軍隊。
ルネサンス
イスラム文化の影響で、古代ギリシャや古代ローマの文明を再評価した学問や芸術全般。
宗教改革
物欲にとらわれたキリスト教指導者を批判して、聖書の教えに立ち返ろうとして行なわれた改革。
【キーパーソン】
バスコ・ダ・ガマ
ポルトガルから船でアフリカの南端を経由してインドに渡り、インド航路を発見した。
コロンブス
イタリアの冒険家で、ヨーロッパ人として初めてアメリカ大陸に上陸した。
マゼラン
1522年に史上初めて世界一周の航海を成し遂げたポルトガルの冒険家。
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