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定期テストや高校入試にも役立つ中学歴史の時代別まとめ『古墳時代~飛鳥時代』

定期テストや高校入試にも役立つ中学歴史の時代別まとめ『古墳時代~飛鳥時代』

2024/01/06

中学生にとって、社会の歴史は重要教科の一つです。歴史は覚えることも多いので、各時代別に時代の流れや特徴を押さえることが必要です。この記事では数回にわたって、各時代別の概要やキーワード・キーパーソンなどを紹介し、それぞれの時代がどんな特徴を持つのかを把握してもらいたいと思います。第2回目は古墳時代から飛鳥時代までとなります。どうぞご覧ください !

目次

    ①古墳時代

    □大和政権の誕生

    今から1750年くらい前、現在の奈良県を中心とする近畿地方に古墳が現れました。これから350年くらいの間を古墳時代といいます。3世紀後半に、近畿地方の豪族による巨大な勢力が生まれ、大和政権となりました。大和政権による国土統一は、3世紀後半からほぼ100年の間に急速に進められ、国土の大半を統一していきました。その勢力が日本各地におよぶと、地方の首長たちはその支配下に入って古墳を築くようになりました。

    5世紀には各地に多くの古墳がつくられるようになります。代表的な古墳に、全長約100m、高さ10.5mにおよぶ 市内最大の前方後円墳である笹塚古墳や、やや遅れてつくられた塚山古墳があります。前方後円墳は日本特有の形であり、大和政権との結びつきが強くなったことを意味しています。塚山古墳群では、鹿の絵がついた埴輪棺が出土して話題となりました。

    □中国と朝鮮の動き

    大和政権によって日本の小国がまとまろうとしていた古墳時代の頃、中国は逆に分裂の時代を迎えます。
    4世紀ごろから国が分裂し、5世紀ごろには南北に分かれて争いがおこりました。このころを五胡十六国(ごこじゅうろっこく)時代→南北朝時代と言います。朝鮮半島では高句麗(こうくり)と百済(くだら)、新羅(しらぎ)の三国が勢力争いをしていました。大和政権は百済と南部の国・伽耶(かや=任那〈みまな〉)と組んで、高句麗や新羅と戦った記録が、好太王碑(こうたいおうひ=広開土王碑〈こうかいどおうひ〉)に記されています。5世紀ごろ、大和政権の王は「大王」と呼ばれ、九州地方から東北地方の南部にまで支配していたことが、埼玉県・稲荷山(いなりやま)古墳から出土した鉄剣や、熊本県・江田船山古墳から出土した鉄刀と、前方後円墳の分布でわかります。

    □大陸文化や技術の流入

    朝鮮半島との交流により、朝鮮半島から日本に移り住む人も多くなりました。この人々は渡来人(とらいじん)と呼ばれ、水田稲作をはじめ、土器製作、土木、養蚕、機織り、漢字、仏教、医学などの新しい文化や技術を日本に伝え、古代日本における文化・政権形成に大きな役割を担ったと考えられています。

    【キーワード・キーパーソン】

    『大和政権』

    奈良盆地を中心とする近畿地方の豪族によってつくられた巨大な勢力。

    『古墳』

    王や豪族など権力者(けんりょくしゃ)の墓で、前方後円墳や円墳、方墳などがある。

    『渡来人』

    朝鮮半島から日本へ移り住んだ人々で、農業や学問など多くの技術や知識を日本に伝えた。

    ②飛鳥時代

    □聖徳太子の時代

    6世紀ごろ、大和政権の中で蘇我氏(そがし)や物部氏(もののべし)など豪族の間で、支持する皇子(おうじ)を大王にしようと争いがおきました。この争いを抑えるために女性の推古(すいこ)天皇が即位しました。推古天皇のおいの聖徳太子が摂政(せっしょう)になり、蘇我馬子と協力して天皇を中心とする政治制度を整えようとしました。聖徳太子は603年に「冠位十二階」(かんいじゅうにかい)、604年には「十七条憲法」(じゅうしちじょうけんぽう:別称[十七条の憲法])を制定。新羅(しらぎ:古代朝鮮)の征討を掲げ、607年に「小野妹子」(おののいもこ)を遣隋使として派遣して隋(ずい:中国の王朝)と国交を開き、文物を輸入し仏教興隆に努めて、「四天王寺」(してんのうじ)など多くの寺を建立しました。
    しかし、聖徳太子は蘇我馬子との関係が常に良好であった訳でなく、606年に都を「飛鳥」(あすか:奈良県明日香村)から20kmほど離れた「斑鳩」(いかるが:奈良県斑鳩町)に移したのは、強力になりすぎた蘇我氏の影響力を弱めるためであったと言われています。

    □大化の改新

    7世紀の中ごろ、蘇我氏の独裁的な政治に対する不満が高まり、645年に中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり=藤原鎌足)などが蘇我蝦夷(そがえみし)・入鹿(いるか)親子をたおして、新しい政治のしくみをつくる改革をおこしました。これにより都が難波(なにわ)に移され、豪族が支配していた土地を国家が支配するようになりました。このときに「大化」という年号が定められたので、この改革を大化の改新と呼びます。

    中大兄皇子は天智(てんじ)天皇となって、土地と人民はすべて天皇が所有することを制定しました。これを「公地公民」(こうちこうみん)と呼びます。

    また土地制度として「班田収授法」(はんでんしゅうじゅほう)が定められました。これは国が6歳以上の人民に「口分田」(くぶんんでん)と呼ばれる土地を貸し与え、死後に国に返却することを定めた法です。この土地で人民は農作物を育て、「租」(そ:米)、「庸」(よう:麻布など)、「調」(ちょう:絹・糸・海産物など)の税を朝廷に納めるか、あるいは労役を行うことが課されました。

    天智天皇が亡くなると、大友皇子(おおとものみこ)と大海人皇子(おおあまのみこ)が後継争いで対立します。この戦いは「壬申の乱(じんしんのらん)」と呼ばれ、勝利した大海人皇子は天武天皇として即位しました。

    □律令国家

    天武天皇は、都を飛鳥に移し、天皇(個人)を中心とした中央集権の政治体制を整え、律令や歴史書の編さんを命じるなど新しい政治をつくりあげました。天武天皇の没後は、その皇后が持統天皇となって、中国の都にならって藤原京をつくりました。「日本」という国号が定められたのもこのころと考えられています。701年に大宝律令(たいほうりつりょう)が文武(もんむ)天皇の命によって作られ、政治のしくみが正しく定められました。その運営は天皇と貴族によって行なわれました。大宝律令を制定することで、刑罰や班田収授法、租調庸や兵役などの税制を定め、国家への収入を安定させることを通して、国の権力を天皇に集める中央集権国家を目指すことをねらいとしました。 

    【キーワード】

    十七条憲法

    仏教や儒教の教えを取り入れ、天皇の命令への服従などを示した憲法で、聖徳太子が定めた。

    冠位十二階

    聖徳太子が制定し、家柄ではなく才能や功績で人物を役人に取り立てた制度で、かんむりの色で地位を区別する。

    遣隋使

    隋の進んだ文化などを学ぶために小野妹子などを派遣した使節団。

    大化の改新

    中大兄皇子や中臣鎌足らによって、独裁政治を行なっていた蘇我蝦夷・入鹿親子をたおして、新しい政治のしくみをつくるために行なわれた改革。

    大宝律令

    唐の法律に習って作られ、全国を支配するために定められた法律のようなもの。律は刑罰のきまりで、令は政治を行なう様々な取り決めを意味する。

    【キーパーソン】

    聖徳太子

    推古天皇の時代に摂政となって、十七条憲法や冠位十二階を制定した。

    中大兄皇子

    蘇我氏の独裁政治から新しい政治をつくるために大化の改新を行なった。後に天智天皇となる。

    中臣鎌足

    中大兄皇子とともに大化の改新を行なった。後に藤原鎌足(ふじわらのかまたり)と名乗る。

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